プログラマの妙術

注)HelloWorld書いたことあるぐらいのプログラミングやIT業界に関しては聞きかじりの餓鬼の遊びです、どうぞ気を悪くしないでください

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何故かアクセスできないのでGoogleキャッシュも

猫の妙術という、武道における到達目標を段階分けし各段階のねずみ取りの猫に例えて書いた寓話
何か技能以上のものをその系に含むもの(プログラミングとか武芸とか)なら何にでも応用できそうだったのでプログラマバージョンで書き換えてみた

プログラマの妙術

ある会社に大きなプロジェクトがあって日々奇々怪々に成長したのでPMはプログラマを部屋に詰め込んでプロジェクトを終わらせようとした。
しかしそのプロジェクトはプログラマの面に飛びかかりあるいは、泥のようにしたのでプログラマは鳴き声をあげて逃げてしまった。
しかたなくPMは、ネット上から抜群に強そうなプログラマを集めて来て、タコ部屋に追い入れたもののすべて尻込みしてしまい、誰一人としてプロジェクトを完了させようとしない。

PMは大汗を流しながら、部下を呼ぶと大声で言った。
「六、七リンクを辿った先に、並々ならぬプログラマがおると聞いている。すぐに借りてきなさい」
早速、借りてきたプログラマを見れば、あまり利口そうでもない。が、かの部屋に入れると、例のプロジェクトは身をすくめてしまって動かない。プログラマは何事もなげに、のろのろとクライアントのそばへ歩み寄ると、難なくプロジェクトを終わらせて戻ってきた。

その夜のことである。

かのプログラマのブログに多くの若きハッカーどもが集まり、かのプログラマがエントリーを立て、いずれのプログラマどもも、その前にひ

ざまずくとブログにコメントした。

「われわれは抜群のプログラマを称賛され、その道の修行を積み、スキルも磨いて研鑽してきた。
しかしながら、いまだ今日のような強大なプロジェクトに出会ったことはなかった。それを御貴殿は、何の術をもってか簡単に終わらせてしまったが、願わくば、我らにもその妙術を教えていただきたい」

すると、プログラマは静かに笑って言った。

「若いハッカーのみなさん。みなさんは、一生懸命に働かれたではありませんか。ただ、思わぬ不覚をとられたのは、いまだ正しい道理にかなった技法をご存知でないからでありましょう。まずは、みなさんの修行のほどから、お聞きすることにしましょう。」

プログラマの言葉に、鋭い顔つきのハッカーが一人、前にすすみ出て言うには、私はプログラムを書く事に優れ、以来その道に心掛けてきた
。最も適切なライブラリやAPIを鋭く見抜き、パフォーマンスと安全性と保守性のバランスのとれたシンプルで美しいプログラミングをし、正規表現、メタレベルプログラミングを得意とし、ときには、仕事自体を無くす様な構造に変え、極限まで自動化し、一度として自分の仕事を遅延させたことはなかった。
ところが今日、思いの外のプロジェクトに出会って、一生の不覚をとり、はなはだ心外に思っている、と。

聞いて、古猫は口を開いた。

「ああ、あなたの修行は技法第一主義というもの。したがって狙う心が先に立っているのです。昔の人が技法を教えたのは、その道筋を教えんがためで、ゆえに、その技法は容易ではなかった。その中に深い真理があるのだが、今日では技法だけを専らにし、ために種々の技を創り、技巧をきわめるので、単なる技くらべになってしまった。それでは、技巧が尽きれば、どうにもなりますまい。小人が技巧に走り、才覚に溺れると、すべてそのようになろう。心の働きといえども、道理にもとづかず、巧を専らとするときは、かえって害の多いもの。これを反省して、よくよく工夫することでしょう」
 

次に、髭のハッカーが一人まかり出ると言った。私の思うに、プログラミングでは”結果そのもの”を貴びます。ゆえに、良い結果を出す事を第一の目標としてきた。そのため今はその気力も固く強く、天地に充ちている。マッチョでもってクライアントと交渉し、まず最大限の力を出せる場を作り出して後すすみ、好きを貫き、響きに応じ、変化にも応じることができる。
仕事をするにも意識せずして、自然にコードが湧き出るごとく振る舞うことができ、チームを纏めるも可能だ。
ところが、彼のプロジェクトは結果の出しようがない。これはどういうことなのでありましょうか。


プログラマがゆうには、その修練は、気の勢いによって働くものでしかない。つまり、自らの気力をたのみとするもので、最前のものではない。われ破らんと欲すれば、敵もまた破ろうとしてくる。また破ろうとして破れぬもののあったときはどうするか。
決して己だけが強く、敵はみな弱いというものではない。天地に充がごとき気と思っているものは、すべてうわべだけの勢いでしかない。それは孟子の浩然の気と似て、実はまったく相違するものなのだ。孟子はよく見える目を持ち、物事を見分ける知力を備えて剛健だが、あなたのは勢いに乗じた剛健であるから、その効果のほどもまた同じではないのだ。
たとえば、滔々と日夜流れる大河と、一夜の洪水の勢いとの違いというもの。気勢に屈しない敵があるときはどうするのか。俗に”窮鼠猫を噛む”のたとえもある。そのような敵は、必死になり、生命を忘れ、欲を忘れ、勝負を度外視し、身の安全など心中になく無心である。こうした敵に、勢いだけでどうして勝てようか。


古猫の話しが終わると、灰色の少し年を経た猫が静かに前へ進みでて質問した。
「仰せのとおり、結果を求める心は旺盛ではあってもそれにはゼロサムゲームの前提があり、その前提を持つものは微小であっても見えるもの。私は長く心を鍛練して、気勢をなさず、相争うことなく、何事もWin-Winの関係に作り変えてきた。強大なプロジェクトといえども、私に敵しようとしても相手ではない。ところが今日のプロジェクトは、勢いにも屈せず、和にも応じず、まさに神のごとくで、私はいまだにこのようなプロジェクトをみたことがない」


灰色の老猫の話しに、古猫は答えた言った。
「そなたの和は自然の和ではなく、論理的な和であり、したがって気をはずさんとしても、僅かな妄念が生じれば、敵はそれを知るのである。また、私心をはさんで和をなせば、気は濁って惰してしまうものだ。思い考えてなせば、なにごとも自然の感をふさいでしまうため、妙手はどこからも生じない。ただ、思わず、なすこともなく、感にしたがって動けば生ぜず、天下に敵すべき者はいなくなる。
とはいえ、各々が修行するところのものを、すべてが無用のことというのではない。
気のあるところ必ず理があり、理のあるところ必ず気は離れずにあるから、動作の中に理に至るものはあり、気はまた一身の用をなすものである。その気がおおらかなるときは、物に応ずること無窮(むきゅう)で、和する場合は、力をもたずして金石に当たろうとも、けっして折ることもない。わずかに思考することが、すべて作意となってしまうのだ。ゆえに敵する者は心服しない。

なんの術をも用いる必要はない。ただ無心に、自然に応じられるがよかろう。道には極まるところはないから、私のいうところをもって至極と思ってはならない。

昔、私の郷に一流のひろゆきがいた。終日眠っていて気勢もなく、木で作った猫のようであった。
人々も、そのひろゆきが仕事をするのをみたことがなかったが、そのひろゆきの関わるところ、近辺にデスマの姿を見ることはなかった。
そこで、私はそのひろゆきのところへ行き、その理由を質したのである。が、そのひろゆきは答えず、四度も問うたが、四度とも答えなかった。これは答えなかったのではなく、答える理由がなかったのであった。
それでわかったことだが、真に知るものは言わず、言うものは真を知らないものだ。その者は己を忘れ、ものを忘れて無物に帰していたのである。まさしく”神武にして不殺”というものであった。私もまた彼に、遠く及ばなかった」

後書

古猫の他の猫に対する答えはほとんどそのまま、何か技能以上のものをその系に含むもの(プログラミングとか武芸とか)ってにてるなーと思って書いた
最初の鋭い顔つきのハッカーは技法第一主義=狭義のライフハッカーとして書いた
文章はここから引用改変させていただいたプログラマが他のいかなる職業とも決定的に異なる理由は「誰にでもできるつまらない仕事」の生産性にある - 分裂勘違い君劇場 by ふろむだ
次の髭のハッカーは独我主義というか狭義のマッチョと言うか悪いイメージの方のマッチョ
灰色の老猫の境地はまだちゃんと理解しきれなくて具体例も思い浮かばないのでああなったがもう少し良い文面もあったと思う
古猫のイメージは天才
木で作ったような猫のイメージは一流のひろゆき
一流のひろゆきはこのエントリーでいう匿名掲示板でしか対立を解けないような種類の対立の世紀と21世紀の政治を妄想的に予想する - アンカテプログラマバージョン

これをどうにかできるのは、アインシュタイン級の1世紀に一人か二人の天才で、科学でなく政治の分野で同レベルの天才だろう。

21世紀には、そういう方面での天才が必要とされている。

そして、私は、ひろゆきという人は、ここで必要性を訴えているその「天才」に最も近い人物だと思っている。

もちろん、今のひろゆきそのものが、将来現れるだろうこういう難題を解決するかどうかはわからない。たぶん、それは無理だろう。

ただ、その「政治の天才」が出てきたとしたら、ひろゆきよりもっと「ひろゆき」的な人物ではないかと予想する。「なんだ2ちゃんねるひろゆきは『ひろゆき』としては二流の『ひろゆき』だったな、本物の『ひろゆき』とはこいつのことを言うんだな」と思わせるような、もっと「ひろゆき」的な何か。
匿名掲示板でしか対立を解けないような種類の対立の世紀と21世紀の政治を妄想的に予想する - アンカテ